バルト海の東端というのか、ロシアのサンクトペテルブルクへと続くフィンランド湾をはさんで、エストニアのタリンと、フィンランドのヘルシンキの、二つの都市が向かい合っています。
その間、80km程度の距離を、フェリー航路が結んでいます。所要時間は2時間です。
青森-函館間の津軽海峡フェリーの場合は、距離が約110kmで所要時間が4時間ですから、なかなかのスピードです。
自分はタリンからヘルシンキまで、この航路を利用したことがあるのですが、何よりも日本のフェリーとは段違いに違う、ゴージャスな船内設備に圧倒されました。
日本のフェリーというと、雑魚寝の二等船室があって、皆そこでごろ寝しているイメージがあるのですが、こちらはまるで豪華客船のような装いをしています。劇場のような広いラウンジ、吹き抜けの全面のガラス窓から、さんさんと陽光がふりそそいでいる。ロビーには、空港の免税ショップのようなきらびやかな専門店が並んでいて、スーパーと思しきコーナーもある… 貧乏なバックパッキングスタイルでうろうろしていると、ちょっと居心地の悪さを感じるくらい。
ところで、このほど、タリン-ヘルシンキ間に新型フェリーが投入されたそうです。記事の最後に船体のスペックが載っています。それによると、総トン数49,200トン、全長212.2m、全幅30.6m、巡航速度27ノット、乗船定員2,824名、総工費2億3,000万ユーロ などなど。
これを日本最大のクルーズ客船、飛鳥IIと比べてみます。こちらは総トン数50,142トン、全長241m、全幅29.6m、巡航速度21ノット、乗船定員872名。なかなかいい勝負していますね。
もうひとつ、津軽海峡フェリーのブルードルフィンはどうだ?
総トン数8,850トン、全長144m、巡航速度20ノット、乗船定員583名…
タリン-ヘルシンキ間でフェリーを運航している会社はほかにも、ストックホルムやリガとの間にも航路を持っていて、どこもその豪華な内装、施設をウリにしています。さすがは国際航路、といったところでしょうか。この地域を訪れるときは、船の旅も検討されてはいかがでしょうか。