【ラトヴィア】森林墓地

まだまだ利用可能な土地が豊富な印象のあるラトヴィアですが、墓地の不足が危惧されているのは同じと見えて、「森林墓地」なるものを新たに作り、そのできばえを市議さんたちが視察にきた、との記事がありました。

記事によると、リガ郊外で新たに切り開いた土地に、1区画に4つの骨壷が収められる、2~5階建ての安置施設を11建てたそうです。区画は全部で288あり、この3月から納骨が可能になるとのこと。

現在の墓地需要のペースで行くと、あと10年か15年で墓地スペースがいっぱいになってしまう、との見積もりの上で、こうした事業が進められている、とありました。

日本でも、敷地の上に墓石を立てる、昔ながらの墓地の形ではなく、寺院の建物の一角にまるでロッカーのような外見をした墓地?を設置しているところがあります。一種の納骨堂なのだろうけれども、古い人間としては違和感を禁じえない。もっとも墓参や維持管理をする立場であれば、負担が少ないのは明らかなので、これも現代的な風景といえます。

記事の写真を見ると、ベンチや遊歩道もあって、高い木々に囲まれた森の中の墓地というより、明るく切り開かれた公園といった風情です。日本の場合、納骨スペースは室内にあることが多いようですが、ここは鳥小屋か養蜂のミツバチの箱のようなたたずまいをしています。ガラス窓が空を映し、氷をイメージしているようなオブジェにも北欧の香りを感じるのですが、出入り自由なのだろうか、壊されたり、いたずら書きなどされないだろうか、などと下世話なことを考えてしまいます…

かの地の埋葬事情はよく知りませんが、リガ市では毎年、7,000人の埋葬が行われるらしく、そのうち約10%の遺族が火葬を希望するそうです。言い換えれば埋葬の大多数は従来型の埋葬施設を必要とするわけで、このあたりにも日本の事情との違いがうかがえて、興味深いものがあります。

 

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